本屋めぐり

今月は本屋めぐりをしています。
「melancolia珍道中」と名付けて、「melancolia storytelling」の作者・相澤さんと共に、都心部にあるお気に入りの本屋さんへお取り扱い交渉の旅です。

旅の中盤に差し掛かったころに「ブログでお店のご紹介できたらいいね」ということになったので、記憶を頼りに、どんな本屋さんをめぐってきたのか、ご紹介したいと思います。

1店目
代官山蔦屋書店さん
蔦屋さんは幅広いジャンルで、書籍コードのないアートブックなども取り揃えいています。
新しいものや流行のものはもちろん、古いものやニッチなジャンルも、垣根なくどんどん取り揃えている書店さんなので、大きな規模のお店ですが、ひるまず交渉します。
結果、カウンターパンチをくらって帰ってきましたが、まだ一店舗目なので、くじけずどんどんいきますよ。

2店目
南青山のヘイデンブックスさん
ヘイデンブックスさんは、華道家の方がアトリエとして使っていた物件だったそうで、高い天井と大きなガラスの壁から入ってくるさん陽ざしが印象的なお店でした。
入り口より奥の方が数段低くなった造りをしていて、奥へつづく階段を数段降りると、本棚とアップライトピアノ、2つのテーブルにそれぞれ2席と4席、二人掛けのソファが1つがあります。
本棚には、装丁にこだわりを感じる新書や気になるタイトルの古本などが置かれてます。お店にあるものすべて、雑貨や食品、使われている家具など、さまざまな個性あふれるモノ達が、整然でもなく、混沌でもなく、心地よいくらいの距離感を保って美しく並べられていました。
もし席につくことができたら、ぜひフレーバード珈琲をお試しください。丁寧なつくり方で香り付けされた珈琲豆を使った絶品珈琲を味わえます。思い出しただけで、また行きたくなる居心地のよい空間でした。
今回、お取り扱いにはなりませんでしたが、いつか、ヘイデンさんに置かせていただけるようになりたいなとこみ上げる想いを胸に、次のお店へ向かいます。

3店目
外苑前のオンサンデーズさん
ワタリウム美術館が運営する書店さんで、アートブックや、「トルコで最も有名な日本人・山田寅次郎」のように珍しい書籍などが豊富な、文化系のにおいがむんむん漂う、とてもきれいなお店でした。
雑貨やステーショナリーも充実していて、相澤さんの前作「すましたペンギンさんきょうだい」の絵を描かれたおかむらしまこさんのポストカードも、こちらでゲットできます。
今回はアポもなく突然の訪問だったので、また機会を改めて面談することになりました。
さぁ続けてどんどん行きますよ。

4店目
表参道のUtrechtさん
海外から取り寄せたリトルプレスを中心にアートブックやZINEを買うことができるお店です。2日目に訪問したSnow Shovelingさんに聞いたことですが、こちらのUtrechtさんがTokyo Art Book Fairを運営されていて、東京のアートブックの情報発信を担っている、影響力も発信力もすごく大きなところだそうです。
お店の入り口には、日本人アーティストの作品を壁に投影した映像とともにディスプレイしていてとってもかっこよかったです。こんな風に本を置けたら、本を開くたびに記憶の中の五感を刺激して、深い読書体験ができそうです。
こちらは会議にかけてくださるとのことでした。
よい結果となりますように願って、次のお店に向かいます。

5店目
渋谷のSPBSさん
“Shibuya Publishing and Book Sellers”
お店はたくさんのお客さんで溢れていました。
本屋スペースの奥にはオフィスがあって、大きなガラス張りの向こうで仕事をしている様子をみることができます。
こちらでは店頭で「販売条件」の一枚プリントを受け取り、後日委託や買取の検討をしていただくためにサンプルをお渡ししました。
“人と物と情報と文化の交差点”として、さまざまな本を取り扱っている書店さんなので、期待が膨らみます。
5店目を過ぎると、もう日は落ちて、少しずつ一日目の終わりが見えてきました。

6店目
奥渋谷にあるBAR BOSSA
こちらでは「バーのマスターは、おかわりをすすめない」作者の林伸次さんがカウンターにひとり立たれていて、私たちを温かく迎え入れてくださいました。
店内はぽうっと光る間接照明で、渋谷の街中とは思えないくらいひっそりとした空間でした。
カウンター席の対面には、グラスやボトルが並んだ壁の代わりに大きなガラス窓があって、マスター越しに見える向かいのレストランのランプや通りにある街頭の光に照らされる、とても幻想的な風景が臨めます。林さんが「ガラスの向こうにリオの河が見えるでしょ」なんて冗談を言ったので、ますます私は旅先にいるような気分になって、いやいや仕事中だとむりやり頭を切り替える必要がありました。
そしてBAR BOSSAの穏やかな雰囲気のお陰で、今日一日の振返りとこれからのことをたくさんお話しすることができて、気持ちのよい締めくくりと新たなる決意を固めることができました。
BAR BOSSAを訪れてみたい方は、ぜひ「バーのマスターは、おかわりをすすめない」を読んでから行かれることをおすすめします。私はその日の帰り道に一気読みをしてしまうほど、読みやすくて楽しいお話と人生のレッスンが詰まっている本です。

以上、一日目は5件の本屋さんと1件のBARを訪ねる旅となりました。

まだまだ始まったばかりの「melancolia珍道中」は、ここからドラマティックな展開になります。
つづきは、また次回。