臨時休業のお知らせ

こんにちは。

いつも八鳥ウェブサイトをご覧いただきありがとうございます。

この度、誠に勝手ながら臨時休業をさせていただくことになりました。

弊社は2015年の設立からこれまでの間に83タイトルの本づくりに励んでまいりました。本の内訳は日本語書籍21冊と英語書籍62冊で、契約先は出版社、研究機関、企業、個人の方々でした。本のジャンルは詩集、小説、絵本をはじめとして、ノンフィクション、実用書、ビジネス書、ガイドブック、医学書、歴史書、ブランドブックなどと幅広く、プロジェクト毎に新しい世界の扉を開いてはひとつひとつの本に弊社のできる限りを注いできました。

そしてこの度、ひとつの区切りをつけることとなります。

株式会社八鳥は2025年4月からしばらくの間、臨時休業とさせていただきます。代表の個人的な理由による休業をどのようにお知らせしていいものかと悩みましたが、ありのままに素直な気持ちを綴らせていただくことにしました。よろしければ、以下ご一読いただきまして何卒ご理解くださいますようお願い申し上げます。

 

臨時休業にあたって

本づくりという仕事に出会ってから14年が経ちました。まだまだ未熟ではありますが、仕事や日常のなかでさまざまな本と関わり続けてきたことによって昔よりも本の実体を少しだけ掴んできたように思います。

本は作り手を映す鏡のようなものですが、それは人のほんの一部を投影しているに過ぎないひとつの形です。とはいえ、たとえ「ほんの一部」を表しているに過ぎないとしても想像以上に読者が本から受け取るものがあったり、逆に奪われてしまうことがあったりするもので、そのようにして個人や社会への影響力を確かにもっているのだと思います。とくに紙媒体の本は物体がもつ存在感という特殊性を備えているようにも感じられて、それはきっと制作に関わったすべての人たちの交じり合いから生み出されたものなのではないだろうかと考えています。例えば、著者の思いが強い場合には著者の雰囲気を帯びる本となり、著者の思いを受けて翻訳者や編集者の思いが重なる場合にはより複合的な人間性を表す原稿にまとまっているようにも思えることがありました。さらにデザイン、校正、印刷、製本、配本、営業、販売を経て、さまざまな人たちの協力が得ることができてやっと本は世の中に出ることになります。私は本をこのように捉えてチームの一員として本づくりに携わってきました。

これまでの八鳥は「伝えたいことがある」という方々の想いに突き動かされるようにして、本づくりのサポートを続けてきました。出会った人達の想いと知恵に支えられて次々と新しい世界へ飛び出して、完成本を手にする度にまた大きなエネルギーを得て、それは次の仕事に取り組む活力となっていました。手探りで歩んできたこれまでの14年は本当にあっという間でした。

そして、この春に新たな転換期を迎えることになりました。

私はお腹に新しい命を授かり、仕事と同じように精一杯の愛を注いでたくさんの愛を受け取る日々を過ごしています。これもまたあっという間に早7ヶ月が経過して、小さな命は日に日に存在感を増しながらすくすくと成長しております。相変わらず慣れないことや新しい課題と出会う度に右往左往していますが、同時にこれまでに経験したことのない喜びや驚きを感じることも多く、たった数ヶ月の間に世の中の見え方すらも随分と変わってきたように思います。

営業再開の時期は仕事と家庭を両立していくための準備が整い次第にて改めてお知らせさせて頂く予定です。心新たに仕事と向き合う日をとても楽しみにしています。

長文になってしまいましたが、最後まで読んでくださってありがとうございました。今こうしてこの拙い文章を読んでくれているあなたとのご縁に感謝します。

皆さまのますますのご多幸とご健勝を心から祈っています。どうぞご自愛ください。

株式会社八鳥
代表 板橋裕美

令和7年3月10日