八鳥のこと

こんにちは!

今回は八鳥のことをご紹介します。

社名の八鳥は、蜂鳥という鳥の名前からとった当て字で、はちどりと読みます。
蜂鳥は南米に生息する鳥です。わずか6センチの小さな体で、一秒に50回以上も羽ばたきながら花の蜜を吸うことができ、その羽音が「ブーン」という蜂の羽ばたきに似ているので、蜂鳥と名付けられたそうです。英語ではその羽ばたきが鼻歌のハミングのように聞こえるので、Humming Birdと呼ばれています。

このかわいい小鳥との出会いは、一冊の本でした。
国際交流NGOピースボートが企画する世界一周の船旅に参加したときに、明治学院大学教授の辻信一さんが案内役として同じ船に乗船していました。
辻さんが船の中で乗船者に紹介したのが「ハチドリのひとしずく」という本です。南米エクアドルに伝わる言い伝えを辻さんが編纂監修をつとめた、たった10行の物語です。

この物語の主人公であるクリキンディという名のハチドリは、豊かな森に他の動物たちと暮らしていました。ある日、森が火事になったとき、クリキンディは自分の持っている小さなくちばしを使って、湖の水で火を消そうと森の中を飛び回りました。他の動物にもそれぞれの役割がある中で、クリキンディは水滴を落としつづけます。
「わたしは、わたしにできることをしているだけ」といって飛び回るクリキンディの姿に、当時の大学生だった私はとても感動して、この小さなハチドリに憧れました。

大人になった今でも、
日々迷うことがあるとき
自分で決めなければいけないとき
考えても答えがでてこないとき

クリキンディの言葉がふっと頭によぎるだけで、いつの間にか自然と進みたい先をみつけるができます。いつもその時の自分に合う選択をとることができるようにと、やさしく背中を押してくれます。

ふと周りを見渡してみると、世の中はクリキンディのように、それぞれのやり方で生きている人たちばかりです。当たり前のことですが、人それぞれの考えで行動し、経験を積み重ねて、それぞれの想いを胸に、自分らしく生きています。
私は自分に葛藤や迷いがある時こそ、こつこつと行動していく方たちの横顔をみると、よしやってみようという気持ちがむくむくと湧き上がって力が出ます。

そして、この本との出会いから10年の月日が流れた2015年7月にあるきっかけがあって、会社を立ち上げることになりました。大学生のころからずっと感じていたクリキンディの言葉の力をこれからもずっと大切にしたいという思いと、それをずっと忘れないようにという思いで、会社の名前を八鳥(はちどり)としました。

本づくりを通して、楽しい毎日をつくっていけるような、作者の思いを込めた一冊を作っていきたいです。私自身も一冊の本にとても大きな影響を受けたので、いま本に関わる仕事ができることがすごく嬉しいです。

あなたも一緒に、もっと自由に、もっと身近に、あなたの本を出版してみませんか。