作家さんの悩み

こんにちは!

春になりました。
新年度、新学期、新しい生活の始まりなど、わくわくする季節ですね。

さて、先日お客様とこんなやり取りがありました。

締切の当日

私 「いま時点での原稿を送ってくださいませー。」

作者さん 「できてないんです。」

作者さん 「締切は、自分を責めてばっかりで。

責めるための締切では、いいものは書けないだろうなって思う。

すみませんが、よろしく。」

私 「(なるほど。さて、どうしましょう…)」

締切は、何かを終わらせなければいけない日です。
真面目に向き合うからこそ、できなかったことに対する責任感が義務感に変わり、焦りや憤りがふつふつと湧き上がると、時にはその感情に押しつぶされてしまうこともあります。
自分らしい表現をできるのが自費出版のいいところなのに、これでは本を作る価値の根本が揺らいでしまいます。

締切は、何かを終わらせる日です。
とすると、それは春の訪れと同じように、次のステップへ進む新しい始まりの時といつも背中合わせでもあります。新しい出会いや表現がやってくることを楽しみに思い描く日かもしれません。そう考えてみると、次のサイクルに向けて、顔を上げて進んでいくことができないでしょうか。

今回は、その作者さんが自然のリズムを大切に暮らしている女性だったので、締切を日付ではなく、月の満ち欠けに合わせて設定することになりました。
新月からスタートして満月までに、アイディアをどんどん膨らませていき、
満月からスタートして新月までに、そのイメージを紙に落として出していくというサイクルで原稿を回収していきます。

目前の締切という壁に意識を集中していると、近付くにつれて後ろにのけ反ってしまうのかもしれません。今の状況を俯瞰してみると、よりエネルギッシュに次の一歩が出せるかなと思います。
月は、地球から離れて宇宙にあるものだからこそ、イメージの中で今の状況を客観的にみることができるのかもしれません。

もっといい締切の上手な作り方はあるのでしょうか。
これからも作家さんと一緒に悩みながら進めていきたいなと思います。